非正規公務員の評価 

            (2)1年有期の錯覚    

                                

             竹信 三恵子


 たけのぶ みえこ  朝日新聞社学芸部次長、編集委員兼論説委員などを経て和光大学名誉教授、ジャーナリスト。著書に「ルポ雇用劣化不況」(岩波新書 日本労働ペンクラブ賞)など多数。2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞。


 

  前回、非正規公務員にとっては「評価という一見公正に見える仕組みが働き手にとって凶器にもなりかねない」と述べた。大げさと思われそうだが、それは、非正規公務員の働き方の特異さが、あまり浸透していないからかもしれない。

 非正規公務員のうち、国の「期間業務職員」は2010年度から、自治体の「会計年度任用職員」は20年度から始まった。

 期間業務職員は「非常勤職であって、1会計年度内に限って臨時的に置かれるものに就けるために任用される職員」、会計年度任用職員は「一会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職員」 と定義されている。

 いずれも、一会計年度内に限るとあるため、1年有期の非正規なんて民間では普通でしょ、と思われがちだが、ちょっと違う。民間は会社の示した「1年」の契約書に労働者も「合意」した形を取る。一方、公務は法律に「1年が限度」と書き込まれている。合意の有無以前に、それは「1年以内の職」なのだ。

 だから、管理者は、毎年の予算の伸縮に沿って、手続きとしてクビを切ることになる。実態は、DV相談のように、住民との関係が重要な継続的で熟練が必要な業務が大半だから、1年で切ったら公共サービスは空洞化する。それを防ぐため「同じ人を毎年切っては雇いなおす」というわけのわからないことが起きる。

 本来、評価は業務改善や人材育成のためとされ、総務省の通知にもそうある。ただ、1年で切ることが正しいとされる働き手の評価を、長期の視点が必要な人材育成に役立てようとする管理者がどれだけいるだろう。1年でいなくなる職員を納得させるための道具として活用しようとするのではないか。非正規公務員の評価制度は、そこが怖い。