3月19日、国会議員会館前は人、人、人で埋め尽くされた。戦争に反対し平和憲法を守る総がかり行動の集会だ。
前回10日には総がかり行動実行委員会とWe want our
Futureという若い世代の団体の呼びかけで、国会正門前に8000人が結集した。私は仕事を15分早く上がらせてもらって大急ぎで駆けつけ、終了間際に到着し、息つく暇もないまま仲間たちと「民衆の歌」を送り出しに歌った。帰路に就く参加者たちが手拍子を取りながら、ライトを振りながら笑顔で歩いていく。足を止めて一緒に歌ってくれる人、写真を撮る人も多く、かつてないほどの手ごたえだった。
だから19日には「今日は五桁の参加者になるのではないか」という予感があった。いつものように開始の一時間前に現地に行き発声練習を兼ねて歌い始めたのだが、通常より人の出足が早く、途切れない。ちょうど高市首相が訪米しており、トランプ大統領の言いなりになって自衛隊をホルムズ海峡に派遣するのではないかと懸念されていたからだろう。あれよあれよという間に歩道が埋まっていき、その多くが20~30歳代で圧倒的に女性が多かった。中には就学前と思われる子どもを連れた人も数人見かけた。子どもたちもキラキラの蛍光スティックを振りながら楽しそうに歩いていた。私もこのくらいの時に親に連れられてメーデーや原水禁大会に行ったことを思い出す。おとなたちが何を主張しているのかわかっていたわけではないが、人々の熱気や未来は変えられると信じるオプティミズムといったものを子どもなりに感じていたのではないかと思う。怖いとか、つらいと思ったことはなかった。子どもたちが自分が主権者だという自覚をもって、声を上げるおとなに育ってほしいと思う。
暗くなってみると、国会図書館の遥か先まで光が見えた。永田町駅から自民党本部の方へ下る坂道にも人の列が続いていた。道路の反対側でもライトをかかげながら歩く人の列が小川のように流れていく。10年半やってきた私たちベテランは、口々に「うれしい、うれしい」を連発し、「続けてきてよかったね」と感激し、中には本当に目を潤ませている人もいた。この日の参加者は、予想を超える1万1000人だった。
閉会後、仲間たちと「民衆の歌」をくり返し歌った。8回までは数えていたけれど、その後は覚えていない。30人位の若い人たちが足を止めて一緒に歌ってくれた。最後の一人が立ち去るまでエンドレスに歌い、終わったところで「お疲れさまでした。また一緒に歌いましょう」と声をかけると拍手が起きた。参加者からチョコレートやのど飴やカイロなど心づくしのプレゼントをたくさんもらって感激した。歌の活動をして来て良かったと心から思った。この光景を師匠のTさんに見てもらいたかった。
けれども、まだまだ安心はできない。闘いは始まったばかりだ。本当は若い人が仕事帰りに抗議行動をしなければならない社会がおかしいのだ。でも、一人一人が行動することを当たり前と思うようになったら、きっと世の中を変えられる。未来を作るのは私たちだ。