守屋 真実 「みんなで歌おうよ」

                     


 もりや・まみ ドイツ在住27年。ドイツ語教師、障がい児指導員、広島被ばく2世。父は元千代田火災勤務の守屋和郎氏 

                   


  母は『心をしばる法律「国旗等損壊罪」とは?』というリーフレットを折っている。A4判を三つ折りにする見慣れたサイズだが、きちんと折ろうとすると結構難しい。少しくらいずれてもいいよと言ったのだが、一枚ずつ律儀に定規を当ててきれいに折っている。
 このリーフレットは、二週間前に経産省前で知人からもらった。日の丸・君が代強制に反対した教職員を中心に結成された団体が作ったもので、さすがに教師が作ったものらしく簡潔でわかり易いので私も首相官邸前で配ろうと早速メールで注文した。次の週の経産省前で一人の男性がこのリーフレットを配っていたのだが、枚数が足りないようだったので、私は取り寄せる手配をしたから他の人にあげてくださいと言ったら、「ひょっとして守屋さん?」。メールでやり取りをしたFさん本人だった。またまたうれしい出会い。軍国主義に反対する運動をするために退職したというのだから立派だ。これからたびたびお会いしますよと、気合十分な意気込みだ。
 自民党が選挙で大勝してしまったから、衆議院では高市政権のやりたい放題だ。憲法九条もまさに崖っぷち。黙ってはいられない。全国各地で様々な団体が平和を守るためにリーフレットを出しているので、内容が良く廉価で分けててもらえるものをいろいろ取り寄せて首相官邸前の辺野古抗議行動や地域の歌の会で配っている。
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   琉球弧の軍事要塞化と緊急避難について解説。QRコードで政府交渉の動画が見られる。
 
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   自衛隊が憲法に合っていないなら、憲法を変えないで自衛隊を変えましょうという提言
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 一年前、いや半年前と比べても反応が大きい。街頭でも受け取ってくれる人が増えたし、「本当に怖い時代ですね」などと話をしていく人も多い。歌の会では、「家族や友達にもあげたいから、もう一枚下さい」という人もたくさんいる。危機感を持っていながら何をしたらいいのかわからない人やデモや集会に参加するのが難しい人も、身近な人にリーフレットを手渡すことはできる。それが話をするきっかけになるかもしれない。とにかく、今できることは何でもしようと呼び掛けている。みんなが小さな行動を起こせば、それが全体では大きな力になる。
 Fさんと別れて帰宅したら、早速送ってくれたリーフレットが届いていた。ただし折ってない状態なので母に頼んだら、すぐに取り掛かってくれた。衆院選の時に「こんな時代になってしまったのに、歳とってなにもできないのが悔しい」と言っていたので、ちょうどたくさん届いていた「本当に中国は…」を近所にポスティングして来てと頼んだらすぐに出かけて行った。「ママの歳でポスティングができる人なんて、ほとんどいないよ」と盛大におだてたら満足そうだった。実際、95歳を間近にして政治に関心を持ち行動したがるのだから、わが母ながら大したものだと思う。だから今回も協力してもらうことにした。
 かつての軍国少女は今、眉間にしわを寄せ、口をぎゅっと結んで真剣にリーフレットを折っている。その仕草に母の平和への思いが込められているのを感じる。生まれたら戦争だった時代に育った母の人生が、戦争の時代に終わることが無いように、なんとしても憲法九条を守ろう!