松崎菊也「フドートク主義」宣言

 

          「だって格下なんだもん」

     


 まつざき・きくや 戯作者 コント集団「ザ・ニュースペーパー」リーダーを経てTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか」のパーソナリティ等ラジオテレビでも活躍。現在は執筆活動のほか政治風刺ライブなどを行なう。日本大学芸術学部卒


  

  赤沢経済再生担当大臣が渡米し、まずは根回しのために菓子折りを入れる風呂敷でも買おうとワシントンの街を物色していると、

「何かお探しで?」

 と店の奥から声を掛けられて、ひょいと顔を上げると大統領だった。ドッヒャ~~ンと腰を抜かして、

「だ、だいとうりょうに、おか、おされては」

 横から外務省の随行員に突かれて、

「おかされ、おかせられましては、ご、ごきげん、うる、うる、うる」

 となるところを、

「まあまあ、気楽に話をしようじゃねえか。俺としては同盟国との関係は崩したくねえ。ただ、おめえんとこは黒字でうちは赤字だ。どうにかすりゃ関税まけてやる。わぁったな!」

 と凄まれて、

「それ、それ、それはもう、なんでございます。しっかり持ち帰りましてだいとうりょうさまに、ご、ご迷惑が掛からないように、ナニしますんで、へい!」

 と生つばを飲み込みつつ、

「びっくりしたなもう! だい、だいとうりょうがいきなり、あっしのような格下も格下に」

 とインタビューに答えただけ。全権委任されたって、要は「使いっ端」だ。今さら「格下」を「隠した」ってどうにもなるまい。

「対米交渉の世界のモデルを目指したい」って総理。血税使って豪華手土産を渡すだけ。気取ってる場合?