暇工作「女性二人、損保関連支部へ加入」

    ひま・こうさく 元損保社員・現在個人加盟労組アドバイザー        


  あいおいニッセイ同和損保

      カスタマーセンターから

 

 個人で加盟できる全労連損保関連支部に、新しく二人の女性が加入した。あいおいニッセイ同和損保カスタマーセンターに勤務する契約社員の鈴木裕子さん(写真右)と上村ゆかりさん(写真左)だ。

 鈴木さんは勤続3年目、上村さんは14年目のベテラン社員である。

 

 きっかけは、鈴木さんが上司からのパワハラ(会社は損保関連支部に対し「パワハラはなかったと考える」と回答)などで体調を崩し、休養を余儀なくされ、復職の確保に不安があった。そこで、同僚で友人の上村ゆかりさんを通じ、前記支部組合員・のりピーこと、武子徳子さんに相談したことにはじまる。願いは「あかるく仕事のできる職場であってほしい」ということにつきる。

 

 鈴木さん「会社を辞める覚悟で人事部に問題を持ち込もうかと思っていました。でも、のりピーさんは『それもいいけど、組合に相談し、できれば加入して、組合として会社に申し入れたほうがもっと有効だと思うわよ』と自身の経験も踏まえて言ってくれたんです」

 鈴木さんが感じていた労働組合のイメージは「なんか、怖いところ」だったが、のりピーさんの明るいノリに触れて、「あ、こんなひとがいるなら、楽しいかも」と不安は次第に消えていく。数日後、組合員の京さんたちも加わっての交流が続くなかで、二人一緒に組合加入を決めた。

 上村さん「一人では考えも及ばなかったことが、みんなの知恵をいただいて、いままで自分たちは泣き寝入りしていたということがわかったのです。鈴木さんは、最初に声をあげてくれた人です。私は、それに励まされたし、交流で初めてお会いした京さんからは『人のためだけじゃなく、自分のためでもあるのよ』と言われて目の前がぱっと開けて、そうだ、みんなと一緒に前に進もう。そうすれば自分の中の何かが変わるかも、と思ったのです」

 

 二人の決意を支えたのは職場の人々の支持と支援だった。「私たちの行動にみんな希望を感じてくれているんです」と上村さんは確信に満ちた表情でいう。仲間への信頼感は仲間からのそれと表裏一体だ。二人は早速「あいおいカスタマーセンターニュース」の発行を始めた。職場の仲間たちとの大切なコミュニケーションツールだ。職場の声を背景とした二人と組合の要求もあって会社は「パワハラ実態調査」を行った。事態は動き始めた。

 

 上村さんはさらに続ける。「子どもたちのため、何ができるか、どんな未来を残せるか、ずっと考えていました。いま、とても素晴らしい仲間たちと出会って、希望に溢れる日々を送っています」

 

 会社への組合加入通知、団体交渉申し入れ、復職の確定など、一歩一歩、事態が動き始め、パワハラを行っていた上司が転勤するというニュースも飛び込んでくる。鈴木さんの顔色も見違えるように明るくなっていく。 

 鈴木「わたしは、家庭第一の生活ですが、そのためにも、みんな仲良く明るく仕事ができる職場であってほしいということが何よりの望みです。でも、フツーのことに思えることも、それを実現するためには、みんなの力を合わせるってことが一番大切なんですね」

 

 写真の通り、明るく屈託のないお二人。決して虐められて落ち込んでしまうような負け犬ではない。それは、終わりなき豪快な飲みっぷりにも現れている。アルコールも二人の勇気と元気を後押しできることを誇りに思っているに違いない。

 趣味は、と聞けば、鈴木さんは「ヨガ」。上村さんも「ヨガ」と答える。一致は偶然だという。

 

  二人が発行している職場ビラ「あいおいカスタマーセンターニュース no.2