松崎菊也「フドートク主義」宣言

 

 

     


 まつざき・きくや 戯作者 コント集団「ザ・ニュースペーパー」リーダーを経てTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか」のパーソナリティ等ラジオテレビでも活躍。現在は執筆活動のほか政治風刺ライブなどを行なう。日本大学芸術学部卒

 


 

アラートの本当の狙い

 

 アラートひっきりなし。

「ミサイルが発射されました。至急地下室に避難してください」と鳴る。

「顕著な大雨による氾濫が迫っています。至急2階へ避難して身の安全を確保してください」と鳴る。

 二つ都々逸を。

「アラート鳴った地下室へ逃げりゃそこへ濁流流れ込む」

「アラート鳴った屋上へ逃げりゃそこへミサイル飛んで来る」

 こう毎日アラートが鳴るとミサイルだか洪水だか、取り違えたらエライことになるだろう。

 そこへ熱中症アラートだ。どこのチャンネルも涼しげな格好をした気象予報士が同じことを言う。

「不要不急の外出を避け」

 不要不急と必要緊急の線引きは勝手にどうぞ。

「適度にエアコンを使いましょう」

 何をもって「適度」と言うのか? 電気代払えずにやむなくエアコン切ってるんだぞ!

 アラート出す側は無難な逃げ場をこしらえてる。いちおうアラート出してやったから、あとは適度によろしくね、と言っている。

 ついに民がアラートに反応しなくなり、危機感を無くした隙に、今だソレ敵基地攻撃ミサイル配備、防衛予算天井知らず。

 こっちのアラートも誰も気にしなくなったとさ。