⊶読者からの直言投稿⊶

   

    憂うほどでもない日本

 

         加藤 禎助

     (元全損保あいおい外勤支部委員長)


 みなさま、ご無沙汰しています。毎月多彩な記事を興味深く拝見していますが、ちょっと私の率直な考えを述べさせて下さい。

 「損保のなかま」の筆者のご意見は概ねネガティブ過ぎるように思います。そんなに憂えるほどではありません。私は、現代の日本社会はまずまずではないかと思っています。 

 街歩きが趣味な私は何回か両国橋から隅田川に沿って吾妻橋まで歩きました。平成の始め頃はテントハウスがびっしりでした。今は本当に綺麗な散歩道です。新宿駅からビル群に至る地下道にはテント生活者が両側にいましたが今は何もないです。街並みがきれい、停電も断水もない、電車は定刻通り走る、水は安全でおいしい、夜の一人歩きも不安がない。こんな国はどこにもないのです。SDGsの1番は貧困をなくそう、です。世界では一日2ドル以下で生活している人が7億人以上います。

 もちろん日本にも貧困家庭はたくさんいます。しかし日本に存在しているのはSDGsの貧困ではありません。相対的貧困、相対的低所得者層です。間もなくG7が日本で開催されます。私はこのなかで日本が1番だと思っています。イギリスはブレグジットからブレグレット、EU離脱から後悔になったそうです。域内から自由に来ていた人びとが減り生産、消費とも振るわず裏目にでました。フランスは年金改革のデモで荒れています。ドイツ、イタリアは原発の廃棄もあってエネルギーの調達が大変です。アメリカは好調な経済がインフレと物価上昇を生み金利をたびたび引き上げ、債券の含み損を抱えた一部銀行が破綻しています。このように大きな矛盾を抱えたアメリカは57万のホームレスを生みました。これは日本の100倍です。

 

 とはいうものの、日本社会に問題がないわけではありません。なにより30年続く低賃金でしょう。それにエネルギー、食糧自給、働き手不足もあります。そういうことに対しては、この辺で、みなさんと一緒にがっつんといきたいものですね。