編集委員の「一語一笑」


 青い空と連なる雪の山々をバックに桜、桃、菜の花が満開、崖には黄色の山吹。久しぶりの温泉。ロビーに高木敏子著「ガラスの兎」があった。著者は第2次大戦中空襲や爆撃で家族を失った体験を本にし、語り部として戦争の現実を伝えてきた。でも75年経った今、まだ戦争で悲惨な状況が毎日伝えられている。(こ)

 

 「内なる目 意識の進化論」(ニコラス・ハンフリー著)によれば、自意識とは他人の心を類推する方法として自分を第三者の目で見ること。人類が生き残りをかけて磨いてきた、他者の喜怒哀楽を深く理解するこの能力は反戦思想に通じるはず。だから、戦争を起こし他人を殺す冷酷傲慢さは人類の生き残り戦略に逆行する。何が織田信長だ。(B)

 

 今年は日中国交正常化50周年。政府に行事をやる気配なし。4月14日民間の「日中正常化50周年緊急集会」に参加した。今年齢89歳になる政治評論家森田実氏は「いま、日中友好を言うと袋叩きに会う状況。政治家、マスコミ、国民がひどく感情的になっている。世界でもそうだ。これは危険な状況、戦争前夜を思いだす」。(O)

 

 TVでは、ウクライナの戦況が刻々論じられている。プーチンがけしからんのはその通りだが、なぜこうなったのか。クリミヤ半島併合などここ10年20年のロシアのやり方は、90年前傀儡国家「満州国」を建国した昔の日本のやり方に似ている。戦況ばかりで、このことに触れないのは、日本のTVが、アベら歴史修正主義者に忖度しているからではないか。(M)

 

 3年振りの北ブロック交流試合。都立光ヶ丘公園の中にアーチェリー場が完成した年から、都内北部6区の持ち回り幹事で運営し今回で30回目。施設が休場になったり様々あったこの2年、マスク着用検温付きで、大声のおしゃべり禁止との注意には笑い声も。来年は私たち杉並が幹事だが、まだコロナ対応が続いているのだろうか?(も)

 

 メディアの報道が特定の話題に集中する時が危険ではないか。ウクライナ情勢、ロシア問題が毎日の中心ニュースだが、他に報道されるべき重要な事実が目白押しでは。例えば先ごろ公表された2021年の国内超過死亡数は前年比10万人以上。原因は何だ? メディアの限界を踏まえて、政府への監視の目を光らせたい。(亀)

 

 ハンス・モーゲンソーの『国際政治』(岩波文庫全3巻)の㊤をやっと読了。「国際政治はモーゲンソーとの対話」と言われるほどの古典的名著。「国際政治の直接の目的は権力の獲得」を唱えながら軍国主義の失敗を説く現実主義の立場はウクライナを考えれば検討に値する。(か)

 

 去年6月に始めた携帯電話の歩数計による散歩の東海道五十三次(日本橋から京師まで)行脚で、3月に往路京都に到着し、現在は日本橋への復路だ。現時点で歩いた距離は549キロ、71万3千歩だ。私は遊び半分で8か月かかったが、弥次さん喜多さんは大変だったろう。(ま)

 

 いきなりレンジが止まり冷蔵庫の電源も切れた。他には何も異常はなくブレーカーも落ちていない。一ヵ所のコンセントにだけ電気がこない事態にあわてて電力会社に電話。2時間後に修理は10分足らずで終わったが、原因は電柱の配電盤の線が老朽化や暑さで切れたためだという。よくあることらしいがこれからの時期は冷房が心配。(百)