編集委員の「一語一笑」


 ケーテンの宮廷楽長時代の無伴奏フルートのためのパルティータ、ロ短調、ト短調、イ長調の各フルート・ソナタおよびフランス組曲、仏のフルート奏者エマニュエル・パユとチェンバロ奏者バンジャマン・アラールによるバッハ演奏会は、しばしコロナ禍混迷の世の中を忘れ、天上の法悦を思わせるものだった。(ま)

 

 日大闘争ならぬ日大騒動。本質は「支配者が田中から文科省に変わっただけ」ではないのか。今回の田中追放劇の主導は国家権力。国にとって大学への支配をさらに強めるチャンスだったのだ。戦々恐々、誰も猫の首に鈴をつける勇気がなかった結果だ。つまり闘争からの逃走。とうそう、いや、そうとうだらしなくないかい。(B)

 

 官邸への忖度から隠蔽・改ざんが常態化した霞が関。統計不正もその一つ。透明化の徹底こそ、権力の行き過ぎを牽制する最良の仕組み。躊躇なく隠蔽や改ざんに手を染める人間だけを出世させ、正論を言う者は容赦なく左遷・粛清してきた安倍・菅。その安倍が隠然たる勢力をもつ自民党政権では不正の解明はできない。(M)

 

 『新潮国語辞典』昭和57年(1982年)新装改訂版第1刷【同性愛】ー同性の者を性愛の対象とする異常な性関係。ホモ。『広辞苑』(岩波書店)昭和58年(1983年)3版1刷【同性愛】ー同性を愛し、同性に性欲を感じる異常性欲の一種。40年前はこういう状況だった。多様性なんて微塵のかけらもない。(O)

 

 庭先の背丈ほどの木に黄色の大きな実が20個ほどぶらさがっていて小枝が折れそう。頑張っている。「ジャンボレモン。そのまま食べても美味しくないけどピールやジャムにしたらいいよ」ともらってきた。800グラムもあった。ジャムを作ったけどちょっと苦味が…、でもヨーグルトにトッピングしたら満足。(こ)

 

 宗教学校に通い、先達の友人宅で写経を始めた。まずは香で身体を清め墨をする。この匂いだけで何故か気持が引き締まる。次に仏の言葉が凝縮されているという「仏教聖典」の一章を唱和し、各々の解釈や感想を述べた後やっと写経にとりかかる。ほぼ一時間は無言で取り組む。この心地いい緊張感、月1なら続けられそう。(百)

 

 2015年の時点で1000ドルのコンピュータの計算速度は鼠の脳程度だったが 2020年代には人間1人の脳程度になり、2045年には全人類の脳すべてに比肩 するようになる。2045年には14万円程度で買えるPC一つで 全人類の脳と同等の情報処理ができるということだ。『人工頭脳と経済の未来』 (井上智洋著 文春新書)(か)

 

 年末にリフォームが完了、工事現場暮らし3カ月は長く疲れた。最後にプロがクリーニングして年末の大掃除は不要でホッとした。現場監督は女性だったが、男性職人の中でキビキビ働く姿にすっかりファンになった。今後も応援していきたい。我家の正月の話題は、便利になった自宅でいかに自立した暮らしを続けるか、です。(も)

 

 この1年特に印象的な映画、龍村仁監督の「地球交響曲」シリーズ。「生死」を現実問題として突き付けられた2021年。映画が語りかける数々のメッセージが心の琴線に触れ命の母なる地球=ガイアに対する畏敬の念が心を満たす。最新の「第九番」は全国各地で自主上映中。ベートーヴェンの魂に迫る渾身の作、お薦めです。(亀)

 

 2021日本のジェンダーギャップ指数120位。政治分野、女性議員9.7%で147位。経済分野、生涯賃金の男女格差1億円で117位。ドイツ連合政権、17人中女性8人。 スペイン内閣、22人中女性11人。ニュージーランド内閣、20人中女性11人。 しかもアーダーン首相は産休とった世界初の首相。方や日本は・・・。(京)