編集委員の「一語一笑」


 自粛暮らしが長引き、ご近所の人と顔を合わす事も少なくなった。2か月前にお向かいの奥様が亡くなっていたと知り驚いた。お互い長年同じ所に住んでいたのでゴミ当番や町内会などの付き合いがあり、時々は立ち話や挨拶をしていた。幼なじみだった夫とお悔みに伺ったら、赤ちゃんの頃から見ていた息子さんが対応され「どちら様?」。(も)

 

 わが家の向かいにあった塀囲いのお屋敷の跡地に三軒の新しい建売住宅が誕生した。新三軒には塀がない。もともとわが家にも塀などないから、お互い開放的な雰囲気のなかで交流がはずんでフレンドリーな関係になった。やっぱり、塀がないのもいいものですね、と言えば、新住人氏「へ~、そういう見方もあるんですね」。(B)

 

 定年後は現役時代と違って役に立たない研究に専念してきたが、鬼平犯科帳の盗賊の名前一覧表はできたし、歌謡曲の題名位置研究(冒頭「横浜たそがれ」、最後「たれか故郷を思わざる」、中間「おとみさん」、抽象「石狩挽歌」など)も飽きた。古典の原書講読は進まない。次は何をしようか。(ま)

 

 世界中に拡がる深刻なワクチン被害。しかしそれと同時に反ワクチン接種・反ワクチンパスポートの大規模デモが世界各都市で沸き起こっていることは大きな希望だ。日本でもようやく反ワクチン訴訟が提起された。一人でも多くの人が気づき、対立ではなく団結で、命の尊厳をかけたたたかいにともに立ち上がらんことを。(亀)

 

 菅の会見や答弁には、「…ふうに」とか「…と思います」という表現が多い。丁寧・謙虚のつもりかもしれないが、「逃げたい」「はぐらかしたい」という気持の表れだ。この「損保のなかま」の編集においても、元原稿にこういう表現があれば、「…です」とか「…だ」とか、に校正していく(菅ふうに言うと、「いきたい」)。(M)

 

 アフガン、米英独仏豪露中印各国はTVニュースでトップ。印は隣国パキスタンがタリバンを支持しているので危機感を顕わに。仏は5年前に軍隊を撤退しているのでマクロンも余裕。独は100人、英は500人の戦死者を出しているので深刻。バイデンはトランプが撤退を決めていたので余裕。(O)

 

 2回目接種を終えて4日、腕の痛みもなく順調と思っていたら5日目に発疹が出始めた。胴はもとより足の甲から手指の間、果ては下唇まで、全身に広がった蕁麻疹は完治まで一週間近くを要した。医者は副反応とは思えないが次回接種の際は一応告知してくださいと言う。原因は定かではないが今は3回目なんて考えられない。(百)

 

 自民党公明党幹部の5人がホテル個室で豪華昼食。飲食どころか集まるのも我慢している私たちなのに。黙食だったとの言い訳に笑うしかない。個別に昼食とってから集まれば

いいのに。あの無謀なインパール大作戦を指揮した牟田口中将ら幹部たちが涼しいビルマ

高地で毎夜宴会していたということに思いが及んでしまうこの国の現実。(京)

 

 ノーベル賞作家の莫言が中国の暗部を描けば、過去百年の中国を代表する作家に選ばず、「ノマドランド 」の監督クロエ・ジャオが中国を批判すればアカデミー賞受賞を報道せず、『中国の赤い星』の著者エドガ ー・スノーの娘は「父の作品を政治利用しないでほしい」と『ニューヨーク・タイムズ』に寄稿、中国はデストピア国家か。(か)

 

 小学生のとき感想文の宿題が出た。「小鹿物語」を読んで感想文を書いた。衝撃的な内容で最後は親友だと思っていた鹿を殺すことになる少年。最初「私は」と書き始めたけれど何だか違う。女子の私だが「僕は」で書いたら納得。2学期に提出したら先生は固まって一言もしゃべらなかった。夏休みの思い出。(こ)