川井塾講義録 

           守備の好手「6ピン打」


 6巡目に聴牌になった(上図)。おそらく10人中9人までが、リーチと出るかどうかは別として「9ピン打」として何の疑問も持たないだろう。

 しかし場はオーラスの北家。ここまで約15,000点のプラスでトップ目。親が-5,000点で南家と西家がともに-15,000点。つまり北家は単独+トップで、俗にいう「3ペコ」状態…という環境が確認できれば、「9ピン打」には問題があると指摘せざるを得ない。

 流石である。この北家は9ピン打ではなく、あえてタンヤオを捨てた6ピン打、メンピンのヤミ聴にとったのである。感服!細やかな神経の通った打法だ。

 「6ピン打」の理由は親の打牌(下図)にある。すなわち9ピンは親の現物安全牌。親のリーチに備えてこの安全牌を手放すことはないというわけだ。タンヤオで1,000点加算を欲張る意味はなく、まして「リーチ」などは百害あるのみ。ここは「ピンフ、1,000点」で終局がベスト。他家に満貫を打ち込んでも順位は変わらないが、トップが入れ替わる親への満貫放銃だけは絶対に避ける。こういう姿勢でひたすら終局を目指す戦略をとるところだ。

 「6ピン打」は、そういう意思のこもった守備の好手なのであった。

 


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(囲碁)九段 佐藤昌晴

 

黒先生き 5分で有段者 

 

 

ヒント 欠け目の解消。3手目が好手です。 

 


 

 

(詰将棋)  九段 西村一義

 

ヒント 桂の活用がポイントです。(10分で2段)

     

 

      

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