川井吉太郎麻雀塾講義録 


      あなたは1万打ですか?それとも…

 

 8順目に中を引いてきた。イーシャンテンは変わらないが、さあ、何を切るか?

 と言われても、順位、点棒、場風などの条件を示されなければ答えようがないが、どんな上がりを目指すのか(あるいは目指さないのか)という戦略と戦術の問題でもある。なお、ドラは9ソー。白、發、中はまだどれも残っている。

 Mさんは反射的に一万の対子に手をかけた。イーシャンテン維持の常識的な打牌である。

 しかし、局後にBさんから異議が出た。「私なら迷わず七、八、九万とメンツ落としに出る。一旦、リャンシャンテンに後退するけど大三元と四暗刻、あるいはダブル役満の可能性まで追求できる。千載一遇、夢のチャンスに小成に甘んじるようでは…」

 たしかに、七、八、九万のメンツを温存すれば、その時点で大三元も四暗刻もダブル役満も消える。最高「ホンイツ・チャンタ・小三元・三暗刻」止まりである。まあ、それはそれで大物手ではあるが。

 どちらが早く上がる可能性があるか、という問いなら、いうまでもなくMさんの一万打に軍配が上がる。

 一方、麻雀の醍醐味の一つは役作りの楽しさでもあって、それは打ち手の意思が原点である。メカニックに上がるための最適化を追求するか。迂回してでも人間臭く見果てぬ夢を追うか。あなたはどちらだろう。

 


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(詰碁) 九段 石榑郁郎

 

黒先。無条件で生きてください。

「ヒント」一手目が好手です。7分で2段。


 

 

    (詰将棋)  九段 西村一義

 

「ヒント」桂のうまい活用があります。

 持ち駒 金銀桂

       (10分で2段)