保険募集・イマムカシ(その6)

                    鈴木 健


           庶民に喜ばれる保険売る幸せ            


 

 日動外勤の労働者たちが、企業内組合から産業別単一組織である全損保に加盟して、より広い視野で社会的地位の向上と経済的安定を目指すことになり、勝ち取った成果は多い。

 業務上災害の補償規定、私傷病で業務遂行が不可能になった場合にかわりの社員が代行できる「代行規定」、無責給の外勤給、昇給、退職金規定等々である。

 

 そうしたたたかいのなかで、経営者が「外勤社員と内勤社員は当社の車の両輪である」と外勤制度の位置づけを行ってくれたことも大きかった。しかし、実際には内勤社員の中には外勤の地位を一段低いものとみなす心理が払しょくできていなかったことも事実だ。私自身「外勤のくせに…」と女子社員から罵倒されて、こちらもついカッとなって平手で彼女の頬を叩いてしまったこともあった。もちろん、非難されるべき行動ではあるが、当時、それくらい私は自分の仕事に誇りをもっていたのだ。

 

 また、保険料の分割とか返金付き月掛けなど、日動社はニーズにあった保険商品を販売してきたことも、私の誇りの一つだ。保険料を返しに伺った時の奥さんの嬉しそうな顔は決して忘れられない。やはり保険は庶民の味方でなければならない。これからも、そんな損保であることを強く願っている。