職場短信 

       「出産・育児支援は独身社員へ皺寄せ?」


                                                                                                                     今月の担当 天野 ともよ


 友人と毎月1回映画を観ようということになった、金曜日の夜。


 彼女は今生命保険会社に勤めている。4月から事務職の女性社員が事務職のままか営業職かを選択することになるそうだ。

 事務職のままだと給与が3割カットになるらしい。営業職を選択すると給与は下がらずに済む。彼女がパートで働いている職場では育児中のため時短で働いている女性社員がいる。その社員は「給料が下がるなら営業職になるつもり、でも時短だから営業をさせるはずがないと思う」と言っているらしい。

 友人曰く「そんなに会社は甘くないと思うんだけどね。何となくだけど本社っていろいろ甘いみたいでその社員さんも本社にずっと居てそれからウチの支社に来てるでしょ。だから甘く育ってるんじゃないかしらね。」と。そうだよね、時短だから大丈夫なんてことあるかね?!
 

 少子高齢化の時代に子育てしてくれてありがたいけどね。仕事はさ、やっぱりある程度周りに迷惑にならないようにしてもらえるとね。もちろん、出産や子育てには協力したいと思うじゃんね。「そうなのよね、その社員さん15時までなんだけど1分たりとも残業しないし、パートの私たちが大変そうでも知らん顔だしね。他の社員にもよく思われてないのよね」
 

 さてさてどうしたものか。先日「逆転人生」という番組を観た。その番組では着ぐるみを制作している会社の取り組みをやっていた。かつてシングルマザーで仕事と家庭の両立に苦しんだ体験が経営者としての原点だと気がつき、大胆に職場を改革、残業のない職場になり、さらに労働時間が減っても生産性が向上し、みんながイキイキと働く職場になった、という内容だった。
 その番組中で気になったのは、出産や育児の支援はワークライフバランスの取り組みを一見やっているようだけど、それだと独身社員などに業務のしわ寄せが行き、かえって対立を生んでしまうということ。確かにね…。そして出産、育児対策が求人の際の売り文句になってるよね。それが社員同士の対立になっているっていうことに制度を作った方は気が付いているか?いい制度を作ったで終わってないだろうか。
 

 番組の中では、とにかく経営者は社員全員でランチを一緒に取る中で耳を澄まし一人ひとりの社員の状態がどうなのかを感じ取っていくし、取りこぼしがないか改善に努めている。落語や音楽鑑賞などのチケットを社員が持ってくれば、そのチケット代の支援もしている。

 こういう取り組みは誰にとってもうれしく、リフレッシュして仕事ができるんじゃないかな。どっかの会社みたいに生産性を上げて、空いた時間は会社のための勉強に充てるようにというのとは大違いだ! 

 本当の働き方改革ってなんだろう。