清水正義「戦争犠牲と核被爆」二大賠償のたたかい


 

 

        平和運動家(元あいおい損保=投稿)

 東京・国分寺市でチマチマと原水禁問題を取り組んでいます。少しでも、被爆者の方たちのお役に立てたらとの思いです。今年は表立った集会ができませんでしたので、皆さんにペナントを買ってもらいそれに核廃絶の想いを書いてもらい、平和行進をつなぎながら広島へ思いを届けました。70本近く売れましたよ。!

 

 さて、8月、広島地裁は「黒い雨」訴訟で、被ばく者84名が健康被害を訴えた裁判で原告勝利の判決をだしましたが、国と県、市までもが控訴しました。私は国や県はともかく、(国からの圧力があったにせよ)広島市までが控訴したことは理解できませんが、これらの根底にあるものは、「国の存亡をかけた非常事態のもとにおいては戦争犠牲は国民が等しく受忍しなければならない」とする「受忍論」ではないかと思います。同じ敗戦国でも、ドイツでは例えばドレスデンの空爆の被害者11万人に対してすべて救済措置が取られています。

 加えて、日本政府は世界で唯一の核被爆国にもかかわらず、核禁止に向けての思いや姿勢が極めて低いことも背景にあると思います。国連で核禁止条約が採択され、あと6か国の批准があれば発効するという段階まで来ているにもかかわらず、日本政府はそれを推進する側に回っていないことはご承知の通りです(なんとも恥ずかしい限りです)。

 「核兵器は悪!」が世界中の人々の共通認識になろうとしている今、戦争被害と核被爆者への二大国家賠償要求のたたかいはとても重要な意味を持っていると思います。