損保雀士・川井吉太郎の「麻雀日誌」 と囲碁将棋コーナー


人事を尽くして…

 ある大会の決勝最終局オーラスの南家である。図のようにカン5万聴牌のところへ、3万を引いてきた。当然6万打の両面待ちに変えると思われるだろうが、私の打牌は「3万ツモ切り」。なぜか。

 

その時点で2着者の私とトップ者の差は「7,500点」。つまり、逆転優勝のためには、ツモ「1,0002,000」では届かない。ツモなら「1,3002,600」が必要だった。もちろん、トップ者が私に打ち込んでくれる「直撃」なら6万打の「2・5万待ち」の3,900でも逆転だが、ガードを固めているトップ者が打つはずもない。ここは親以外からの出上がりは拒否、自力ツモだけを目標として設定する。それが逆転トップへの唯一の道筋なのであった。

 

 結果はあえて書かない。言いたいことは結果ではなく、目的を明確にしてそのために「人事を尽くして天命を待つ」の「人事」のことだからだ。麻雀の面白さは運とかツキの狭間に、自分の意思を吹き込めるところにある。どれだけ自分の思いを打牌に表現できるか。その醍醐味を追求するのが麻雀だと私は考えている。

 

もっとも、それは、自分の順位、相手との点数差、上がりの点数計算などがきちんとできるという基本的な技術があってこそ。蛇足だが、カン5万ツモの場合、点数は「元点20+中暗刻点8+ツモ点2+カンチャン待ち点2=32→端数切り上げで40」。そして翻数が「中・ドラ・ドラ・〇・〇」の5だから、計算は40×2×2×2×2×2=1,280。これが子の支払い分で、親の支払いはそれを倍した2,560。ピッタリ300点差で私が差し切る計算になる。

 

 


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 詰碁出題  九段 石榑郁郎

 

【黒先】ダメ詰まりを狙いますが、その後の白の眼形の見極めも必要です。(7分で1級)

  

 

 

 

 

 詰将棋出題 九段 西村一義

 

  持ち駒 金桂

 

「ヒント」 馬と角の協力で…
 (10分で2段)