損保雀士・川井吉太郎の麻雀道
好牌先打
私の親番の配牌ですが(ドラ5万)みなさんなら第一打に何を選びますか?
私の第一打は6万です。つづいて白・東・2ソー・1ソーと処理します。狙いはピンフ4・5・6の三色で、西を後に残すのは雀頭を意識するからです。だから6万は1枚あればいいのです。好牌先打ともいいます。リスクの高そうな牌は早めに切れ、という意味ですが、その考え方とも重なります。そして、役牌、風牌の処理順序は、役牌→場牌→自風牌が一般原則で、端牌を処理する場合は2→1です。
「第一打6万」は私にとっては必然で合理的な打牌なのです。 ドラ5万のソバである6万打は、なんとなくもったいない気がする。まだ5万がくっつくんじゃないかと主観的願望的に考えてしまう方もいるかもしれません。
でも、この手は、すでに満貫の要素を十二分に含んだ大物手配牌なのですから、これ以上のドラは不要です。かりに6万を残し、さらに5万を引き込んだとしても、その先の展開が見えません。身動きが取れないまま、最終的に「5万・6万」のシャンポン聴牌などになるのは最悪でしょう。
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詰碁出題 九段 石榑郁郎
【黒先】黒2子をうまく取らせて眼形を奪います。(5分で3段)
社会の調和と安泰に必要な五常の徳は、「仁・義・礼・智・信」だと儒教が教えている。なかでも重要なのが「仁」と「義」である。それは人間が守るべき道徳で、礼儀上なすべき努めのことである。日本人が大切にしている基本的な価値観でもある。
10月10日、公明党は政権を離脱した。
公明党は連立維持の条件として「靖国神社参拝」「裏金問題の解明」「企業献金問題」の対応を連立維持の条件としていたが、これらに対して自民党から明確な回答がなかったからだとしているが、自民党は「一方的に告げられた」と言っている。
私は、公明党が連立の条件を出したとき、その条件に一瞬「今さら?」という気がした。連立を組んで26年、その間、それらは何度も問題になったはずである。それを容認(?)してきたのに、なぜ、今になってそれを頑なに主張するのかと思ったのだ。だが、それは、民意に押されているからだと好意的に解釈していた。
自民党の党大会で、高市早苗が総裁になり、麻生太郎が副総裁になった。常識的に考えると、新総裁はいの一番に連立を組んできた公明党に挨拶に出向き、その上で「今後、どうしましょうか?」と相談するのが筋であろう。
だが、そうではなかった。高市と麻生が最初に会ったのが、国民民主党代表の玉木雄一郎だったのだ。当然、政権協力の話をしたのだろう。
「仁」と「義」に続くのが「礼」である。これも日本人の基本的な価値観で、日本人はこれらに欠ける人間を徹底的に嫌う。
自民党は、支えてくれた公明党に「仁義」も「礼節」も示さなかった。公明党からすればそれは侮蔑されたことであり、屈辱と怒りを感じたはずである。私だって相手がそういう人間なら、さっさと見切りをつけて縁を切るはずだ。
1973(昭和48)年『仁義なき戦い』という映画があった。シリーズで5作創られ、1999(平成11)年「日本映画遺産200」にも選ばれている。
ヤクザを主人公にしているが、ヤクザ映画でも任侠映画でもない。義理と人情、恩義と裏切り、愛と憎悪、怨念と殺戮を描いた群衆活劇で、戦後日本の暗黒社会を描いていた。
石破首相の退陣から総裁選、新総裁誕生と今までの政局をみていると、権力を握るための打算と工作、陰で暗躍する長老たちばかりが目につく。映画は「仁義なき社会は抗争を生む」といっていたが、自民党内部はまるでこの映画のようである。
かつて、自民党と有権者は、政策より義理と人情でつながっているといわれていた。そのころの自民党には、まだ「仁・義・礼」もあったということだろうが、今はカネがすべてのようだ。「五常」の残るは「智(道理をよく知り、知識が豊富)」と「信(情に厚く真実を告げ約束を守る)」だが、自民党はそれさえも失ってはいないか。